Iga血管炎とは
gA血管炎は、IgA抗体が血管壁に沈着し、炎症を引き起こす血管炎の一種です。以前は、アレルギー性紫斑病(Henoch-Schönlein紫斑病;HSP)と呼ばれていましたが、現在ではIgA血管炎と呼ばれることが一般的です。
症状
主な症状としては、以下のものがあります。
- 紫斑: 皮膚に赤い斑点状の出血斑が現れます。
- 関節痛: 関節の痛みや腫れが生じます。
- 腹痛: 腹部の痛みや不快感が生じます。
- 腎炎: 腎臓に炎症が起こり、血尿や蛋白尿が出ることがあります。
- 消化器症状: 吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状が現れることがあります。
原因
IgA血管炎の原因は、まだ完全には解明されていませんが、免疫系の異常が関与していると考えられています。感染症や薬物などが発症のきっかけになることもあります。
検査・診断
IgA血管炎の診断には、以下の検査が行われます。
- 血液検査: IgA値の上昇や腎機能の評価を行います。
- 尿検査: 血尿や蛋白尿の有無を確認します。
- 皮膚生検: 紫斑が出ている部分の皮膚を採取し、顕微鏡でIgAの沈着を確認します。
- 腎生検: 腎炎が疑われる場合に行われ、腎臓の組織を採取してIgAの沈着を確認します。
治療
IgA血管炎の治療は、症状の程度によって異なります。軽症の場合は、安静や対症療法(痛み止めなど)で自然に治ることもあります。重症の場合は、ステロイドや免疫抑制剤などを用いた薬物療法が必要になることがあります。
診療科
IgA血管炎の診療は、内科、皮膚科、腎臓内科などが担当します。症状に応じて、適切な診療科を受診してください。
皮膚生検・腎生検の必要性
皮膚生検は、紫斑の原因がIgA血管炎であるかどうかを確定するために行われます。腎生検は、腎炎の程度を評価し、治療方針を決定するために行われます。
IgA腎症にならないためには
IgA血管炎を完全に予防する方法はありませんが、以下の点に注意することで発症リスクを減らすことができる可能性があります。
- 感染症予防: 手洗いやうがいを徹底し、感染症にかからないようにする。
- 健康的な生活: バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がける。
- 薬物乱用をしない: 薬物の使用は、IgA血管炎の発症リスクを高める可能性があります。
患者数
IgA血管炎の正確な患者数は、日本では把握されていません。しかし、厚生労働省の難病情報センターによると、IgA腎症の患者数は約33,000人と推定されています。IgA血管炎の患者数も、IgA腎症と同程度か、それよりも少ないと考えられます。
年代別人数
IgA血管炎は、小児から高齢者まで幅広い年齢層で発症しますが、特に小児期に多いとされています。
患者都道府県別
IgA血管炎の患者数について、都道府県別のデータはありません。
その他
IgA血管炎は、再発することがあります。症状が改善した後も、定期的に検査を受け、経過を観察することが大切です。
ご不明な点がありましたら、医療機関にご相談ください。